米軍による日本への侵略行為に他ならない。 沖縄国際大学と宜野湾市は直ちに米軍に抗議し、沖縄県も国を通じて抗議を行った。この際、沖縄県は事態が事態だけに、県民を守る為に沖縄県警機動隊を出動させることになるかもしれない旨、日本政府に伝えていた。県民を守るべき立場にある沖縄県としては、当然の判断である。 だが、日本政府の回答は、米軍の不法行為を黙認せよというものだった。この時の首相は小泉純一郎、内閣官房長官は安倍晋三である。 この時の模様は、記録映画「標的の村」にも一部出てくる。 ひたすら無表情に徹する沖縄県警の警察官と、それとは対照的に怒りと憎悪の表情を露わにする沖国大職員。ただ、どちらも気持ちは同じだっただろう。 米軍所属ヘリの事故は沖縄ではほぼ毎年のように起きていたのだが、この事件の後、沖縄県民の感情は、(県外民の私から見ても)少し変わったように思う。「米軍ヘリ」「ヘリ事故」に対する反応が、それまでとは全く異なるようになった。 その極致が、2013年のオスプレイ配備問題に対する”建白書”である。尚、この建白書をはねつけたのは、第2次政権首相に就いたばかりの安倍晋三である。 この建白書の発起人となった翁長雄志那覇市長は、この後自民党を離党して沖縄革新勢力と組み、2014年沖縄県知事選で翁長氏は現職仲井眞氏を破って県知事に当選した。その後の衆議院総選挙、2016年の沖縄県議会選、参院選と、全県規模の選挙ではこの”建白書”派は勝利している。 その原点が、この沖国大ヘリ墜落事件にあると言ってもいいだろう。 先に挙げた「標的の村」は、東村高江に建設中の米軍ヘリパッド建設への反対運動を記録した映画である。第1次安倍内閣時の2006年に寝耳に水の話として東村にも沖縄県にも相談もなく計画すらも知らされず建設が始まったということもあるが、運動が大きく盛り上がりを見せだしたのは「ここがオスプレイの訓練場になる」という情報が流れてからである。 現在、高江で米軍施設工事を警備しているのは、沖縄県警では無い。警視庁や千葉県警をはじめとした、他県から来た機動隊員である。 本土の人達(私は「本土」という言い方は嫌いだが、敢えてこの言い方を使わせて貰う)は、この経緯を見てどう思うだろうか。 中国が中国ガと騒ぐより以前に、米軍によって既に日本の国家主権が侵害されているのである。 それとも、「サヨクを叩けるなら日本の国家主権は侵害されてもいい」そういうお考えだろうか? それとも、「サヨクの発信する情報は正しい情報ではない」と言い張って、”ネットの正しい情報”にしがみつくおつもりか? 参考文献:沖縄国際大学「米軍ヘリ墜落事件」 http://www.okiu.ac.jp/gaiyou/fall_incident/]]>
“標的の沖縄” への2件のフィードバック
[…] 参考: 標的の沖縄(荒野草途伸本拠地BLOG) […]
[…] 今日8/13は、2004年に米軍沖国大占領事件(沖国大米軍ヘリ墜落事件)が起きた日である。 この事件に関する記事は、7年前にも書いている ので、興味があったらご参照いただきたい。 […]