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アベノミクスが招いた金融危機


 アメリカの経済指標や日本銀行の動向が影響して、株安と円高ドル安が同時進行しています。8/2には史上2番目とされる日本株の下落が起きました。
 しかし、実際の指標は減速したとは言え史上2番目の下落を引き起こすような数字ではありません。パニックとしか言い様が無い現象が暴落を招いたとしか言い様がありません。何故このようなパニックが起きたのか。それは、この10年あまりの自民党政権の金融政策の失敗が大きな原因であると言えます。

* 円安ドル高の現状と、NISA制度との関連性

 過去2年間にわたる円安ドル高の進行は、NISA制度を利用した日本人のアメリカ株買いが一因であると指摘せざるを得ません。その背後には自民党政権が推進してきた経済政策「アベノミクス」の存在があります。
 アベノミクスは、経済の活性化を目指し、多くの日本人に投資を促してきました。NISAと言う制度もその道具として導入・拡充がされてきました。

 ですが、NISAを通じて投資を始めた若年層はアメリカ株やアメリカ株を組み込んだ投資信託に好んで投資する傾向があります。その結果としてアメリカ株の購入に伴うドル需要の急増から円安ドル高を招いたとも指摘されています。
 しかし一方で、NISA制度を利用する投資家の中には、投資に関する知識や意識が薄弱な者が少なくありません。投資信託では大きな利益は得られない、外国株に投資する場合は株価だけでは無く為替レートにも留意しなければならない、といった基本的な知識すら無しにNISA制度を使ったアメリカ株投資に手を出す層が多いのが実情です。
 投資知識が不足しているプレイヤーが市場に参加することは、市場の混乱を招き、相場の急変動を引き起こしやすくなります。金融リテラシーの低い投資家が市場に参入することは、パニック耐性の低いプレイヤーの増加を意味し、これもまた市場の不安定化を助長する要因となっている。アベノミクスという名のバブル経済を煽り、国民をギャンブルに誘い込んだ、と言われても文句は言えないでしょう。


**金融教育の失敗と投資家保護の必要性:**

 NISA導入に伴い相応の金融教育が必要だったのですが、それが不十分であったと言わざるを得ません。
 それどころか、ろくな金融教育も無しに「NISAは使わなければならない」という空気を醸成してきたのが、自民党政権です。その結果が素人投資家の増大とそれに伴う市場の混乱です。

 自民党政権が進めてきた金融教育施策も大きな問題です。アベノミクス以前から学校教育における金融教育の導入が図られてきましたが、自民党政権は教育現場の疲弊と準備不足を解消しないまま導入を強行した為、この施策は大失敗に終わっており、投資家教育が行われているとは到底言えません。
 社会人向けの教育プログラムもあくまでも自発的受講が前提であり、それらを受ける受けないに関わらず投資行為は開始出来てしまうのが現状です。
 結果として、「金融教育なんて、形ばかりのもので、投資の怖さを教えるどころか、むしろ甘い汁を吸えるという幻想を植え付けている。」という状況を生み出しています。

**金融所得課税の必要性:**

 また、金融所得は本来勤労所得よりも高い税を課すべきです。国にもよるのでしょうが、日本人の一般的な感覚としてはそうなると思います。にもかかわらず、NISA制度では投資益が非課税となっており、この逆進性の高い制度は問題があると言えます。
 このような制度は、一部の富裕層に有利であり、社会全体の経済的不平等を助長するものである。投資益に対して適切な税を課すことで、富裕層への過度な優遇を防ぎ、社会全体の経済的公平性を保つことができる。

**今後のあるべき金融投資施策**

 荒野草途伸は、投資自体を否定するものではありません。が、十分な知識を持たない者をリスクの高い行為に引きずり込み、市場を混乱させる金融政策には断固として反対である。
 NISA制度については、非課税枠を縮小し、逆進性を緩和するための税制改革を行うことが重要です。またパニック耐性の低い投資家による市場の混乱を防ぐために、十分な知識の無いものの投資行為を規制する必要がある。免許制度の導入も含めて利用条件の厳格化を行うべきである。
 金融投資は経済の活性化に寄与する重要な要素ではあります。ですが、それを支える教育と規制の枠組みが不可欠です。日本の未来のために、より公正で持続可能な金融投資施策を構築することが求められています。


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